〈サラン〉の教育目標
〈サラン〉は教育目標して次の四つを掲げ、2022年度から学生たちと地域の人々が一体となった事業を展開しています。
1.主体性をもった人になる
自分の意思や判断で行動し、その行動に責任を持つ
与えられた学びだけでなく、自分で学びたいことを発見しチャレンジする
自分が好きなこと、続けてやりたいことを見つける
2.自主性のある人になる
人に指示されなくても、自ら進んで決められたルールを守る
3.自分を肯定できる人になる
人に助けてもらうばかりでなく、人を助けられるという自信を持つ
相手を思いやる心を持ち、他の人と協働する喜びを知る
4.広い視野をもった人になる
閉ざされた世界から踏み出し、さまざまな世界や人々やものと出会う
〈サラン〉の授業の特徴
〈サラン〉の授業計画は次の六つの要素を配慮して作成します。初年度を通じて〈サラン〉らしい授業づくりをめざしました。
最大の特徴は自然と地域と授業活動のつながりを重視することです。
⑴学生の個性を重んじる
⑵学生のねがいや夢をつなぐ
⑶それぞれの学生が楽しいうれしいことを取り入れる
⑷学生の可能性を見い出す
⑸学生の障がいと向き合う
⑹地域のことを知り理解する
アウトドア活動を最大限取り入れる
授業はアウトドア活動を積極的に取り入れ、開校以来年間で回を超えるアウトドア授業を実施してきました。さまざまなことを経験できる活動、いろいろなところを訪ねて知る見学、体を動かす散策やハイキング、土と対話する野菜作り、思いっきり歌いまくるカラオケ、学生たちが応じる限り、積極的にアウトドア授業をカリキュラムに組み入れました。
心を解放し自由を獲得する
サランのアウトドア授業は、学生がさまざまな場所を訪ねて季節を感じ、季節ごとの遊びを体験して、思いっきり心と体で四季の移り変わりを感じることに主なねらいがあります。見て感じ、受け入れて喜び、それを家族に伝える。学生がその体験を表現することが大事です。
地域のよさを知り地元愛をはぐくむ
サランは地域を大事にする思いをカリキュラムに組み込んでいます。 「福島には何もない」という人もいますが、これほど豊かな地域は他にないでしょう。福島の土地と人々のくらしと伝統は極上です。訪ねていく先々でそれを体験し、見学した場所のすばらしさや豊かさを学生たちは確かに感じ取っています。

仲間意識を深める
アウトドア活動を通じて学生たちが一緒に行動することで、仲間同士それぞれの個性を出し合い支え合うことができます。障がいにも人格にもその人その人の個性があり、一人ひとり異なります。思いやり、やさしさで互いに支え合うのです。 サランの活動を通じて外へ出ることで仲間意識が生まれ、たがいに相手から学ぶことを知ります。

好きなことやりたいことを実現する
ある学生が何気なく「新幹線に乗りたい」と言いました。またある学生は「釣りをしたい」と言い出しました。支援員はさっそく「一
緒に行こう」と応じ、企画を立案しました。学生が好きなこと、やりたいことをできる限り実現させています。

学生の願望をカリキュラムに取り入れる
サランは、学生が日ごろから「したかったこと」 「してみたいこと」を可能な限りカリキュラムに取り入れます。 「生徒がふえるとできない」と言う人がいますが、そうではありません。支援員の「思いがあればできる」のです。障がいを持ち、自分のやりたいことを表現できずにいることや、やりたいことすらわからない学生もいるようです。 「~したい」という願望をもつ学生がそれを実現できたときの輝いた表情と姿は、支援員みなのやりがいであり希望なのです。